官報に自分の名前が載った日。何年も待った結果なので、まずはゆっくり喜んでください。ただ、その日から期限の時計も動き始めます。いちばん短いのは在留カードの「14日」です。
帰化は、官報に告示された日から効力が生じます(国籍法第10条)。許可の連絡を受けた日ではありません。この記事では、許可のあとにやることを、やる順番に並べます。
- 告示の日:日本国籍になる。この日が、すべての期限の出発点です。
- すぐ:帰化届を市区町村に出す(期限は告示の日から1か月以内)。出す先は、新しく決める本籍地か、今住んでいる市区町村です。申請書に書いた帰化後の氏名とフリガナが、この届で戸籍に載ります。
- 告示の日から14日以内:在留カードを入管に返す。窓口に持っていくか、郵送します。
- 戸籍ができたら:日本のパスポートを申請する。戸籍謄本が必要です。

帰化届:1か月以内、でも早めに
帰化届の期限は、告示の日から1か月以内です(戸籍法第102条の2)。大阪市の案内では「官報の告示の日から告示の日を含め1か月以内」で、最終日が休日ならその次の開庁日まで延びます(大阪市:帰化届)。
大阪市が挙げる持ち物は、帰化届書と、法務局が交付する「帰化者の身分証明書」です。日本人の配偶者がいる人は、届書に配偶者の署名も要ります。細かい扱いは市区町村ごとに違うことがあるので、届ける先の役所に確認してください。
期限は1か月あっても、早めに出すのがおすすめです。在留カードの14日のほうが先に来るうえ、戸籍ができないとパスポートも申請できないからです。マイナンバーカードを持っている人は、在留カードを返す前に帰化届を出すと、マイナンバーカードをそのまま使い続ける手続を同時にできます(入管庁の返納書式の注)。
在留カードの返納:14日以内、遅れると罰金も
在留カードは、持ち主が中長期在留者でなくなったときに効力を失い、失効した日から14日以内に返す決まりです(出入国在留管理庁:在留カード等の返納)。帰化では告示の日に日本人になるので、告示の日から14日と考えて動くのが安全です。
返し方は二つです。住んでいる地域の入管に持っていくか、返納理由がわかる書類(戸籍謄本など)を付けて郵送します。期限を過ぎると、20万円以下の罰金の対象になります(入管法第71条の5)。
中国籍だった人へ:国籍と領事証明
中国の国籍法第9条は「定居外国的中国公民,自愿加入或取得外国国籍的,即自动丧失中国国籍」としています。外国に定住する中国公民が自分の意思で外国籍を取ると、中国籍は自動的になくなる、という意味です。
駐日中国大使館は、日本国籍を申請する在日中国人向けに「自动丧失中国国籍领事证明」を出しています(办理自动丧失中国国籍领事证明须知)。大人の必要書類には、有効な中国パスポートと有効な在留カードが入っています。
領事証明の要否と取得時期は、許可の前に法務局と領事館へ確認してください。告示のあとは、まだ返していなくても在留カードは失効しています。必要な書類は領事館に確認し、在留カードの返納期限は守ってください。大阪・名古屋・長崎・札幌・福岡・新潟の総領事館は、それぞれの案内に従うよう書かれています。
パスポート:戸籍謄本ができてから
日本のパスポートの新規申請には、戸籍謄本(全部事項証明書)が要ります。たとえば宮城県の案内では「記載事項が最新で、6か月以内に発行されたもの」で、戸籍抄本では受け付けていません(宮城県:新規申請の必要書類)。住んでいる都道府県の旅券窓口の案内も確認してください。
パスポートに載るローマ字の名前は、帰化申請時に予定し、帰化届で届け出たフリガナがもとになります。漢字の「王」にオウと付けるか、カタカナの「ワン」にするかで、パスポートのつづりも変わります。詳しくは帰化後のパスポートとローマ字にまとめました。
これから申請する家族がいるなら
許可のあとの届出は、市区町村・入管・旅券窓口でご本人がする手続です。一方で、配偶者や親など、これから帰化申請をする家族がいるなら、書類づくりはKIKADIYで進められます。帰化許可申請書と親族の概要は無料プランで作れます。
[…] 帰化届で届けた氏名とフリガナが、戸籍の読みになり、日本のパスポートのローマ字表記の土台になります。原則はヘボン式です。拼音などの外国式つづりは、公的資料で確認できるときの例外で、自動では認められません。つづりが通るかは、法務局と旅券窓口が判断します。官報告示や在留カードの返納期限は「帰化許可後の手続き」を見てください。 […]
[…] 帰化直後の戸籍謄本(全部事項証明書)。旧氏名の記載があるものを取る、という説明が多いです。戸籍は帰化届が受理されてから編製されるため、官報告示と帰化届のあとに取得します。許可後の順番は「帰化許可後の手続き」にまとめています。 […]