中国のパスポートでは、ずっと「WANG」でした。帰化後も漢字の「王」のまま、フリガナを「オウ」にすると、ヘボン式なら日本のパスポートの名字は「O」の一文字です。空港のカウンターで、名字の欄を二度見されるかもしれません。
日本のパスポートの名前は、戸籍のフリガナに基づくヘボン式が原則です。そのフリガナは、帰化の申請のときに自分で選びます。この記事は、その名前のつづりだけを扱います。許可後の手続きの全体(帰化届・在留カード・パスポートの順番)は帰化許可後の手続きを見てください。
フリガナは申請書の段階で書きます
帰化後の氏名は、許可が出てから考えるものではありません。東京法務局のてびき(令和8年4月)では、帰化許可申請書に、許可になった場合を予定して帰化後の氏名とフリガナを「あらかじめ」書きます(帰化許可申請のてびき)。決めるときの注意は三つです。
- 帰化後の名に使える字は、原則として常用漢字、人名用漢字、ひらがな、カタカナです。許可のあとの変更は、原則として認められません。
- フリガナは、その漢字の読み方として一般に認められているものに限られます。
- 2025年5月26日から、戸籍にフリガナが載る制度が始まっています。帰化で初めて戸籍に載る人は、帰化届のときにフリガナも届け出ます(法務省:フリガナが記載されるまで)。戸籍に載ったフリガナをあとで変えるには、家庭裁判所の許可が要ります(法務省:戸籍フリガナ よくあるご質問 Q12)。
申請中に気が変わった場合は、てびきに「帰化後の氏名及び振り仮名の変更申出書」の様式があります。変えるなら、許可の前に申し出ます。

中国の名字は、ヘボン式でこうなります
ヘボン式では、のばす音の「ウ」や「オ」は書きません(さいとう→SAITO)。中国の名字には音読みで「〜ウ」とのばすものがよくあるので、思ったより短くなります。つづりは群馬県のヘボン式ローマ字表記の表に沿っています。
| 名字 | フリガナ | ヘボン式 | メモ |
|---|---|---|---|
| 王 | オウ | O | のばす「ウ」は書かない |
| ワン(カタカナの名字) | ワン | WAN | 外国式のカタカナなので、条件付きで WANG も |
| 張 | チョウ | CHO | 「TYO」ではなく「CHO」 |
| 劉 | リュウ | RYU | のばす「ウ」は書かない |
| 陳 | チン | CHIN | 「TI」ではなく「CHI」 |
戸籍のフリガナに基づくヘボン式が原則です。長音表記(OH・OU など)や外国式つづりを希望する場合は、初めての申請の前に旅券窓口へ相談してください。今までの拼音に近いつづりを使える可能性があるのは、名字を外国式のカタカナにした場合か、漢字の名字に外国式の読みを付けた場合です。どちらも法務局と旅券窓口の扱いに従います。漢字に付けるフリガナは一般に認められた読み方に限られるので、先に法務局で確認してください。
拼音(WANG など)を使いたいとき
群馬県の旅券案内では、外国籍からの帰化などで、戸籍の氏名が外国式のカタカナで書かれている場合や、漢字でも読み方が外国式の場合に、ヘボン式ではなく外国式のつづりを使えます(ヘボン式によらないローマ字氏名表記)。申請のときは、そのつづりが確認できる公的な書類を持っていきます。例として挙がっているのは、国籍証明書、婚姻証明書、外国人登録証、出生証明書、家族の外国旅券などです。
同じ案内には、見落とせない注意が三つあります。
- 一度登録したパスポートの氏名表記は、原則として変更できません。
- 名字を外国式にするなら、家族でつづりがばらばらにならないよう、先に確認しておきます。
- パスポートと航空券のつづりが1文字でも違うと、飛行機に乗れないことがあります。
手元の書類で外国式つづりが通るかは、申請するパスポート窓口が判断します。初めての申請の前に、住んでいる都道府県の窓口に相談してください。
申請書を作るときに、名前も決めておく
帰化後の氏名とフリガナは、帰化許可申請書の欄に書きます。KIKADIYなら、帰化許可申請書を無料プランのフォーム入力で作れます。ローマ字で困らないように、フリガナまで家族で相談してから入力してください。
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