帰化して日本の名前になったあと、中国の実家の名義変更や銀行口座の手続で、「日本の戸籍の佐藤さんと、旧パスポートの王さんが同じ人だと証明してください」と言われることがあります。相続の場面でも同じ質問が出ます。この「同じ人です」という説明が、よく「同一人声明」と呼ばれるものです。
東京法務局の帰化申請の添付書類一覧には、「同一人声明」の項目はありません。必要な書式は中国側の提出先(銀行、不動産の登記窓口、公証処など)に確認してください。この記事では、よく使われる書類と、日本の書類を中国で使える形にする方法を説明します。
「同じ人」を示す土台は日本の戸籍謄本
さいたま地方法務局の「よくある質問とその回答(国籍事務)」によると、日本国籍を持つことを証明する公的な書類は、原則として戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)です。法務局は「帰化したことの証明書」を発行していません。戸籍謄本は市区町村で取ります。
中国側の手続でも、戸籍謄本の旧氏名が手がかりになります。在日中国大使館の案内には、帰化した親の戸籍謄本について「日本国籍を取得する前の中国名と国籍の記載があるもの」を求める一文があります(子どもの手続の例です)。手続に使う前に、自分の戸籍謄本で旧氏名の記載を確認しておきましょう。
中国で使える形にする:アポスティーユと公証
2023年11月7日から、日本と中国の間でアポスティーユ(外国の公文書の認証を不要にする条約による証明)が使えるようになりました。駐福岡中国総領事館の案内によると、日本でアポスティーユを取った公文書は中国本土で使え、日本側と在日中国大使館・総領事館での領事認証は要らなくなりました。
自分で書いた声明書は公文書ではないので、まず公証役場で公証人の認証を受けます。東京法務局のQ&Aによると、条件がそろえば、公証役場でアポスティーユまで付けてもらえ、法務局や外務省に行かずに済みます。
ただし同じ総領事館の案内は、アポスティーユを取っても中国の提出先に受理されない場合があると書いています。先に提出先へ確認するのがいちばんの近道です。

提出先に聞くことリスト
電話やメッセージで、次の5つを確認してから書類を取りに行くと、二度手間を防げます。
- どの書類が必要か(戸籍謄本だけか、本人の声明書や旧パスポートのコピーも要るか)
- 書式の決まりはあるか(提出先の様式があるか)
- 何を書けばよいか(新旧の氏名、生年月日、旧パスポート番号など)
- 発行から何か月以内のものが必要か
- 中国語訳は必要か、アポスティーユは必要か
2〜5は、上の総領事館が「事前に確認を」と挙げている項目(書式、内容、期限、訳文)と同じです。
中国国籍と戸口(中国の住民登録)はどうなる?
中国の国籍法第9条は、外国に定住する中国公民が自分の意思で外国籍を取ると、中国国籍を自動的に失うと定めています。申請して許可を受ける「退籍」(第11条)とは別の仕組みです。国家移民管理局の説明では、中国国籍を失ったあとは中国の戸口と居民身分証を抹消することになっています。具体的な窓口は中国側に確認してください。
帰化届や在留カードの返納など、日本側で許可直後にすることは「帰化許可後の手続き」にまとめています。
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このページの手続は帰化のあとの話で、KIKADIYの対象外です。ご家族やご友人がこれから申請する場合は、履歴書・親族の概要・生計の概要の下書きにKIKADIYを使えます。まずは無料の条件チェックからどうぞ。