「母は数年前に亡くなっていて、父は中国。父には再婚相手との子もいる。この人たち、全員書くの?」 親族の概要を前にすると、家族の歴史を一枚の紙に並べる作業になります。思ったより手が止まる書類です。
答えを先に書きます。東京法務局のてびき(令和8年4月)では、配偶者・親・子・兄弟姉妹などは、住んでいる国に関係なく、亡くなった人も含めて書きます。そのうえで、日本に住む親族と外国に住む親族で用紙を分けます(帰化許可申請のてびき)。
誰を書くか:てびきの範囲
てびきが定める範囲は、次の一文です。
この書面に記載する親族の範囲は、申請していない同居の親族のほか、申請者の配偶者(元配偶者を含む。)、親(養親を含む。)、子(養子を含む。)、兄弟姉妹、配偶者の両親、内縁の夫(妻)及び婚約者です。なお、これらの親族については、死亡者についても記載してください。
読み方のポイントは二つです。
- 配偶者、元配偶者、親、子、兄弟姉妹、配偶者の両親、内縁の相手、婚約者は、一緒に住んでいなくても書きます。
- それ以外の親族(おじ・おば、いとこなど)は、申請者と同居していて、その親族自身は今回の帰化申請をしていない場合に記載します。
申請者本人は、原則として書きません。
記入例:中国の家族でよくある形
東京に住む李さん(申請者)の家族で考えます。妻と娘とは東京で同居。父は中国に住み、母は数年前に亡くなりました。父が再婚してできた弟が中国にいて、妹は大阪にいます。中国には離婚した元妻もいます。
| 人 | 書く? | 用紙 | 最後の欄 |
|---|---|---|---|
| 妻(東京・同居) | 書く | 日本 | 住所 |
| 娘(東京・同居) | 書く | 日本 | 住所 |
| 父(中国) | 書く | 外国 | 中国の住所 |
| 母(死亡) | 書く | 相談で確認 | 死亡日 |
| 母が違う弟(中国) | 書く | 外国 | 中国の住所 |
| 妹(大阪) | 書く | 日本 | 住所 |
| 元妻(中国) | 書く | 外国 | 中国の住所 |
| 妻の両親(中国) | 書く | 外国 | 中国の住所 |
| おじ(東京・別居) | 書かない | — | — |

迷いやすい三人について、補足します。
- 亡くなった母:書きます。住所の欄に、住所の代わりに死亡日を書きます(東京法務局の様式の注)。日本と外国のどちらの用紙に入れるかは、てびきに書かれていないので、相談のときに担当者に聞いてください。
- 父や母が違うきょうだい:民法も「父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹」という言い方で、兄弟姉妹として扱っています(民法第900条)。会ったことが少なくても、書いておくのが基本です。
- 元妻:てびきに「元配偶者を含む」とはっきり書いてあります。気まずくても書きます。
一人分の欄に書くこと
一人分の欄は、続柄、氏名、年齢、職業、生年月日、住所(亡くなった人は死亡日)です。右側の「交際状況等」には、交際の有無、その人の帰化の意思の有無、申請者の帰化への意見(賛成・反対・特になし)、電話番号などを書きます。
中国にいる家族の生年月日や職業は、本人に聞かないとわからないことが多いです。用紙を書き始める前に、家族のグループチャットで一度まとめて聞いておくと、あとが楽です。年月日の書き方など細かい点は、管轄の法務局のてびきと担当者の指示が優先です。
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