帰化の5年と10年、
違いを確認する
法律上の「5年」と、審査運用上の「原則10年」は両立します。申請の準備を始める前に、何を指す数字なのか確認しましょう。

2026年9月8日時点で、国籍法第5条の一般的な住所条件は、引き続き5年以上日本に住所を有することです。一方、法務省は2026年4月1日から、日本社会への融和の審査において原則10年以上の在留を求める運用を開始すると発表しています。法律の条件と審査運用を区別し、「5年住めば必ず許可される」「法律が一律10年に変わった」と捉えないことが大切です。
法律の条文と審査運用を区別する
国籍法の一般的な住所条件
5年
第5条に定める条件の一つです。この条件を満たすだけで、すべての条件を満たしたことや許可が確実になったことを意味しません。
社会融和に関する現在の審査
原則10年
2026年4月からの審査運用です。個別の事情を踏まえて審査されるため、例外の範囲を自己判断で決めないようにしましょう。
国籍法第4条は帰化に法務大臣の許可が必要であることを定め、第5条は一般的な条件を列挙しています。法務大臣は2026年3月27日の会見で、5年の住所条件を前提としつつ、社会融和などの審査を厳格化する趣旨を説明しています。国籍法の条文・法務大臣の会見内容。
すでに実施されている変更は?
法務省は、2026年4月1日から、社会融和の審査で原則10年以上の在留を求め、税金・社会保険料の納付状況を確認する期間も延長すると発表しました。現在の「国籍Q&A」でも、社会融和に関する説明の中で日本語能力や10年以上の在留に触れています。法務省「国籍Q&A」Q9。
| 時点・区分 | 確認できること | そこからは断定できないこと |
|---|---|---|
| 国籍法の現行条文 | 第5条の一般的な住所条件は引き続き5年以上 | 5年住めば必ず許可される |
| 2026年3月27日の発表 | 法務大臣が社会融和などの審査の厳格化を説明 | すべての例外や経過措置が示されている |
| 2026年4月1日から | 原則10年以上の在留を求める審査運用などを実施 | 10年未満の人は一切相談・申請できない |
| 個人の書類準備 | 税務・保険・経歴の資料は担当者の指示に沿って確認 | すべての資料が一律に10年分必要になる |
2026年10月27日の追記:その後に公表された情報
政府は2026年7月28日の答弁書で、国籍法第5条の「引き続き5年以上日本に住所を有すること」という条件は変えずに、審査では原則10年以上の在留を求める運用をしていると説明しました。日本社会に融和しているかどうかは個別の事案ごとに判断し、判断基準は明らかにしないとしています(参議院 答弁書)。
東京法務局の必要書類の案内(2026年9月4日更新)では、住民税の課税証明書と納税証明書が直近5年分、住民税を期限内に納めたことがわかる資料が直近5年分(特別徴収の場合は不要)、社会保険料の納付証明書が直近2年分、確定申告をする方の所得税の納税証明書が直近3年分です(東京法務局)。受付の時期ごとにどの年度の証明書を取るかは「帰化申請の税金・年金の証明書は何年分?2026年4月からの「住民税5年・社会保険料2年」を整理」で整理しています。
法務省の統計では、2025年の帰化許可申請者数は14,103人、許可者数は9,258人、不許可者数は666人でした(法務省 帰化許可申請者数等の推移)。2026年4月からの運用がこの数字にどう表れるかは、2026年分の統計の公表を待つ必要があります。
予約済み・申請済みの場合や、日本人の家族がいる場合は?
いずれも個別の確認が必要です。国籍法第6条から第8条には、一定の事情がある場合の条件の緩和が定められています。ただし、それだけで「日本人の配偶者は全員、10年の審査運用の影響を受けない」とは言えません。すでに申請した場合や予約がある場合に追加資料が必要かどうかも、発表日だけで判断せず確認しましょう。
また、帰化、永住許可、在留資格「経営・管理」はそれぞれ異なる制度です。別の在留手続きの年数、資産、収入の基準を、そのまま帰化の条件に当てはめることはできません。
この記事は公表された制度の説明であり、個人の許可の見込みを判断するものではありません。相談、申請の受理、最終的な許可も、それぞれ別の段階です。
法務局への相談で確認したいこと
- 自分の経歴には、国籍法のどの住所条件が適用されますか。2026年4月からの審査運用は、どのように関係しますか。
- 過去の在留資格の変更や長期間の出国は、期間の計算や説明でどのように扱いますか。
- 予約済み・申請済みの場合、追加や更新が必要な資料はありますか。
- 本人と生計を同じくする家族の税金・年金・健康保険の資料は、それぞれ何年度分、どの期間が必要ですか。
- 「履歴書(その2)」の出入国歴は、どの期間を記載しますか。ほかに説明が必要な期間はありますか。
回答は自分の必要書類一覧に記録しましょう。「何が必要か、誰の資料か、何年分か、いつ取得するか」を明確にすることで、ほかの人の申請資料を手当たり次第に集めるよりも準備を進めやすくなります。
今から進められる準備
- 自分の経歴を確認する
在留、住所、仕事、出国の記録を、実際の日付に沿って整理します。不確かな箇所は要確認として残します。
- 申請先の最新の案内を見る
必要書類や相談の進め方は申請先によって異なる場合があります。まず管轄を確認し、その法務局の案内に沿って準備します。
- 期限のある書類は確認後に取得する
古い記事だけを頼りに、期限切れになり得る証明書を先に取得しないようにしましょう。急いでいても、事実と異なる資料を使わないことが大切です。
よくある質問
国籍法の条件が5年から10年に変わったのですか?
この記事の確認日時点で、第5条の一般的な住所条件は引き続き5年以上です。原則10年以上という年数は、現在の社会融和に関する審査運用によるもので、法律の条文とは区別して理解する必要があります。
10年住んでいれば必ず帰化できますか?
いいえ。在留年数だけですべての条件を満たすわけではありません。帰化には法務大臣の許可が必要で、個人の事情を踏まえて審査されます。
日本に住んで5〜9年の場合、今は何をすればよいですか?
管轄の法務局に、自分に適用される条件と現在の相談・申請の扱いを確認してください。この記事で受理や許可の可否を判断することはできないため、年数だけで結論を出さないようにしましょう。
制度を確認して、自分の準備を整理する
KikaDIYの条件チェックは、確認したい点の整理に役立ちます。結果は準備の参考であり、法務局による個別の確認に代わるものではありません。
参考にした公式情報
情報確認日:2026-09-08。東京など各地域の案内は出典を明記しています。全国すべての申請で同じ要件が適用されるとは限りません。ご自身の場合の扱いは、申請先の法務局に確認してください。