2026年10月27日更新:能力条件を「18歳以上」に訂正しました。2026年4月から始まった審査運用(原則10年以上の在留、税金・社会保険料の確認期間の延長)、国籍法第6条〜第8条の緩和条件、2025年の申請・許可件数を公式情報にもとづいて書き直しています。
帰化の条件は「国籍法」と「審査運用」の両方で確認します
帰化には法務大臣の許可が必要で、一般的な条件は国籍法第5条に定められています(e-Gov法令検索 国籍法)。2026年4月1日からは、法律の条文はそのままで、審査の運用が厳しくなりました(法務省 2026年3月27日 法務大臣会見)。
法務省の統計では、2025年の帰化許可申請者は14,103人、許可者は9,258人、不許可者は666人でした(法務省 帰化許可申請者数等の推移)。申請した年と結果が出る年は一致しないため、この3つの数字から許可率を計算することはできません。
国籍法第5条の6つの条件
① 住所条件(引き続き5年以上)
引き続き5年以上、日本に住所があることが必要です(国籍法第5条第1項第1号)。長期の出国があると「引き続き」と認められない場合があります。何日までの出国なら問題ないかという基準は法務省から公表されていないため、出国歴がある方は管轄の法務局で確認してください。
② 能力条件(18歳以上)
18歳以上で、本国の法律でも行為能力があることが条件です。2022年4月1日の改正で、20歳から18歳に引き下げられました(法務省 国籍Q&A Q9・Q20)。日本国民の子など一定の場合はこの条件が緩和され(国籍法第8条)、15歳未満の方は親などの法定代理人が申請します(法務省 帰化許可申請の手続案内)。
③ 素行条件
犯罪歴の有無や程度、納税状況などを総合的に見て判断されます(国籍Q&A Q9)。東京法務局は運転記録証明書(5年間)の提出も求めています(東京法務局 必要書類の案内)。
2026年4月からは、税金と社会保険料の納付状況を確認する期間が延びました。東京法務局の案内(2026年9月4日更新)では、住民税の課税証明書・納税証明書は直近5年分、年金や健康保険などの社会保険料の納付証明は直近2年分、確定申告が必要な方の所得税の納税証明書は直近3年分です。期限どおりに納めたことがわかる通帳の写しや領収書も求められます(東京法務局)。年度ごとの整理は「帰化申請の税金・年金の証明書は何年分?2026年4月からの「住民税5年・社会保険料2年」を整理」にまとめています。
④ 生計条件
生活に困らないことが条件で、申請者本人だけでなく、生計を同じくする配偶者や親族の単位で判断されます(国籍Q&A Q9)。年収の基準は公表されていません。
⑤ 重国籍防止条件
帰化によって元の国籍を失うことが必要です。本人の意思では国籍を失えない国の場合など、日本国民との親族関係や境遇に特別な事情があるときは、法務大臣がこの条件を満たさなくても許可できる規定があります(国籍法第5条第2項)。
⑥ 憲法遵守条件
日本国憲法や政府を暴力で破壊することを企てたり主張したりする団体を結成したり、加入したりしていないことが条件です(国籍法第5条第1項第6号)。
2026年4月からの審査運用
法務大臣は2026年3月27日、「日本社会に融和していること」の審査で、原則として10年以上の在留を求めると発表しました(法務省)。国籍Q&Aでも、日常生活を営むのに十分な日本語能力(会話と読み書き)や10年以上の在留に触れています(国籍Q&A Q9)。
日本経済新聞によると、新しい基準は4月1日以降に判断する申請に適用され、税の証明書類は直近1年分から5年分に広がりました(日本経済新聞 2026年3月27日)。
政府は2026年7月28日の答弁書で、国籍法の「引き続き5年以上」の条件は維持したうえで、運用上、原則10年以上の在留を求めることにしたと説明しています。「日本社会に融和している」かどうかは個別の事案ごとに判断され、判断基準は明らかにしないとしています(参議院 答弁書)。5年と10年の関係は「2026年の帰化申請は5年か10年か」で詳しく扱っています。
条件が緩和される場合(国籍法第6条〜第8条)
| 条文 | 対象となる主な方 | 緩和される条件 |
|---|---|---|
| 第6条第1号 | 日本国民だった方の子(養子を除く)で、引き続き3年以上日本に住所または居所がある方 | 住所条件 |
| 第6条第2号 | 日本で生まれ、引き続き3年以上日本に住所または居所がある方。または父か母(養父母を除く)が日本で生まれた方 | 住所条件 |
| 第6条第3号 | 引き続き10年以上日本に居所がある方 | 住所条件 |
| 第7条前段 | 日本国民の配偶者で、引き続き3年以上日本に住所または居所があり、現在日本に住所がある方 | 住所条件・能力条件 |
| 第7条後段 | 日本国民の配偶者で、結婚から3年が過ぎ、引き続き1年以上日本に住所がある方 | 住所条件・能力条件 |
| 第8条 | 日本国民の子で日本に住所がある方、日本国民の養子で一定の条件を満たす方、日本国籍を失った方など | 住所条件・能力条件・生計条件 |
国籍法には、特別永住者だけを対象にした条文はありません。日本で生まれた方であれば、第6条第2号に当たる場合があります。東京法務局の案内では、特別永住者の方は動機書の作成が不要です(東京法務局 帰化相談の案内)。
緩和の条文に当たる方に、原則10年の運用がどう適用されるかは公表されていません。ご自身の場合は管轄の法務局に確認してください。
申請の流れと費用
- 管轄の法務局に予約して相談します(東京法務局)。
- 本国の書類と日本の証明書を集め、申請書類を作成します。
- 本人(15歳未満は法定代理人)が法務局に出向き、書面で申請します。手数料はかかりません(法務省)。
- 面接があります。水戸地方法務局の案内では、受付からおよそ2〜3か月後です。
- 許可されると官報に掲載されます。水戸地方法務局は、1回目の相談から許可・不許可の決定まで最短でおよそ1年半としています(水戸地方法務局)。
KIKADIYで作成できる書類
KIKADIYは帰化申請書類の作成を手伝うオンラインツールです。条件を満たすかどうかの判断や許可を約束するものではなく、行政書士や法務局の相談の代わりにもなりません。2026年10月27日時点の料金ページの内容は次のとおりです。
| プラン | 料金(1人) | 作成できる主な書類 |
|---|---|---|
| Free | 0円 | 帰化許可申請書、親族の概要、宣誓書(PDF出力) |
| Basic | 6,980円 | Freeの内容+履歴書、生計の概要 |
| Pro | 9,980円 | Basicの内容+付近の略図、事業の概要、在勤及び給与証明書 |
| Max | 13,800円 | Proの内容+動機書のAI作成、申述書、出入国記録の開示請求書 |
出典
- e-Gov法令検索:国籍法
- 法務省:国籍Q&A
- 法務省:帰化許可申請者数等の推移
- 法務省:2026年3月27日 法務大臣閣議後記者会見
- 日本経済新聞:外国人の日本国籍取得、審査厳しく(2026年3月27日)
- 参議院:帰化審査の厳格化に関する質問に対する答弁書(2026年7月28日)
- 東京法務局:帰化許可申請書に添付する書類(その他の国籍・地域の方、2026年9月4日更新)
- 東京法務局:帰化相談(初回相談)を希望される方へ
- 水戸地方法務局:帰化手続のながれについて
- 法務省:帰化許可申請(手続案内)
情報確認日:2026年10月27日。
この記事は公開情報を整理したもので、個別の許可の見込みを判断するものではありません。必要な書類や扱いは申請先の法務局によって異なることがあるため、管轄の法務局で確認してください。
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